一般的にLED搭載の表示器や、大型LEDディスプレイを「LEDビジョン」と呼びます 。LEDビジョンは、赤、緑、青の3色LED素子を、ひとかたまりにしたピクセルの集合体です。 (1ピクセル=3色LED素子ひとかたまりの最小単位)3色LED素子を均等間隔に並べLEDユニットを作り 、タイル状にLEDユニットを複数枚連結させLEDビジョンを構成しています。 LEDユニットの組み合わせ方次第で、サイズ、デザインの表現領域は広がります。 LEDビジョンは、多数のLED素子が集まって画面を形成し、映像や情報を表示する仕組みとなっています。 その情報の効果的な伝達や魅力的な映像表現において重要な役割を果たし、先進的な仕組みにより鮮明で視覚的なインパクトを与えることができます。
LEDビジョンはLED素子が集まって
画面を構成し、コンテンツを表示する仕組みです
LEDビジョンと一般的な液晶ディスプレイ(LCD)どちらを選ぶべきでしょうか? どちらを選定すべきかは、具体的な要件や設置、現場環境、用途により変わります。それぞれの特徴やメリット、デメリット、特徴を一般的な選択基準で比較しました。
液晶ディスプレイ(LCD) | LEDビジョン | |
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発光方式 | バックライト | LED発光 |
明るさ輝度(cd) | 約600cd 程度 | 約600cd ~1,500cd 程度※屋内用LEDビジョンの場合
圧倒的に
明るい |
耐久性長時間利用 | 約20,000時間点灯で寿命1日16時間 → 3.5年で寿命 | 約50,000時間点灯で明るさ半減1日16時間 → 8.5年で明るさ半減 |
サイズ | 製造会社の販売サイズによる 最大約120インチ程度 | ユニット構成の為サイズ制約ナシ |
画面の見え方つなぎ目 |
マルチモニターの場合ベゼル
(繋ぎ目) がでる
|
ベゼル (繋ぎ目) ナシ
|
視野角 | 視野角が狭く、横からは見えにくい | 視野角が広く、斜めからでも綺麗に見える |
画面形状 | 平面 長方形 正方形 | 自由自在(縦長、横長、曲面、円柱、立方体、透過 等) |
価格導入価格 | 120インチ以下価格メリット大 LEDビジョンより安い | 120インチ以上液晶モニターより安くなる場合あり |
メンテナンスランニングコスト | 一部破損でも全モニター交換モデルチェンジ廃盤サイクルが製造会社に依存 | 部分交換(ユニット毎)メンテナンスが可能 |
※使用環境により異なる場合があります。 ※cd(カンデラ):光源から特定の方向へ照射される光の強さを表す単位。LEDビジョンではよく用いられる用語です。
最終的な選択は、具体的なニーズ、予算(価格)、使用環境、サイズ、表示内容、配信管理などの要素を総合的に考慮する必要があります。 LEDビジョンは大規模な広告や屋外イベントに適しており、映像の視認性やインパクトが重視される場合に有利です。 一方、液晶ディスプレイは価格効率、ポータビリティなどが求められる場合に適しています。
LEDビジョンの解像度と画質は密接な関係があります。具体的には、解像度はディスプレイに表示できる画素数(ピクセル)を表し、解像度が高ければ高いほど、高画質な映像を表示、表現することができます。また、LEDビジョンを構成するLED素子同士の距離をピクセルピッチ(mmピッチ)といい、隣のピクセルとの距離が近いほどミリ数は小さくなり、面積(㎡)あたりの解像度が高くなります。高精細の画像や映像を表示するためには、解像度の高さ、明るさとコントラストの適切なバランス、正確な色再現が重要な要素になります。
解像度が高いほど画像や映像コンテンツが高精細、高画質で表示されます
スピード感がある映像、パブリックビューイング(スポーツ観戦)、e-sports(ゲーム)使用には、 リフレッシュレートも選定する上で重要なポイントの1つです。リフレッシュレートは、映像が画像単位で切り替わる速さ(1秒間にLEDが点滅する回数)で、 単位は「Hz」(ヘルツ)で表します。この値が高いほど、画面を何度も切り替えられるので、画面の滑らかさに直結します。フレームレートは、映像が切り替わる頻度(1秒あたりのフレーム数)で、単位を「fps」で表します。数値が高いと滑らかな(ぬるぬる)映像、低いと粗い(カクカク)映像になります。
※リフレッシュレートが高いLEDビジョンを選定しても、PC側が高いfpsを維持出来なければ意味が無く、オーバースペックになります。
リフレッシュレートの数値がfps値の上限通常のテレビやPCモニターは60Hz程度、表示する映像により選定
視認距離とは、LEDビジョンとLEDビジョンを見る人までの距離を指します。視認距離はLEDビジョンへh配信、表示されるコンテンツの画質、ピクセルピッチに大きく関係しています。 視認距離が遠い場合、ピクセルピッチが広くてもコンテンツの粗さが目立たず鮮明に見え、さらに導入価格を抑えることができます。逆に視認距離が近く、鮮明なコンテンツを見せる場合は、ピクセルピッチ間の狭いLEDビジョンを選定します。これはピクセルが密集して配置されていると、より高い解像度となり視認性が向上するという理由です。 ただし、視認距離が遠いのにLEDビジョンのサイズが小さくてはピクセルピッチ以前にコンテンツが見えにくいので、LEDビジョンのサイズを大きくする必要があります。ピクセルピッチ間が狭いほどコンテンツは鮮明ですが、LEDビジョンとターゲットまでの視認距離から最適なピクセルピッチの選択をしないと、オーバースペック、さらにはコストオーバーになることもあるので視認距離は重要な選定ポイントです。
LEDビジョンの最大の特徴は、LED素子自体が光るため、画面が圧倒的に明るいことです。明るさを「輝度(きど)」と呼び、画面の明るさを数値で表し、単位は cd/㎡ ( カンデラ )が使われます。輝度が高いほど光源の光が強くなり、明るさが増します。一般的な屋内の液晶ディスプレイと比較すると、LEDビジョンの輝度は約10倍以上で、明るさは段違いです。また反射もほとんどなく、液晶ディスプレイでは視認が困難な場所や、直射日光があたる屋外の環境下の場所に遠距離からでも鮮明でメリハリある映像を映しだすことができます。
LEDビジョンは屋内用と屋外用の2種類のタイプがあります。 設置場所に合わせて、 輝度(明るさ)と視認性、サイズとピクセルピッチ、耐水性と耐候性、耐震性と耐風性の要素に基づき、正しい規格の製品を選ぶことが重要です。 屋外に設置する場合は、外部の過酷な環境下でも耐えうるスペックが必要なので、IP65以上の規格が推奨されています。 IPコードは、LEDビジョンの設置環境に応じて、適切な保護レベルを選択するための重要な指標です。 これにより、LEDビジョンが外部要素や気象条件に耐え、安定したパフォーマンスを維持することができます。
第1特性 |
防塵 | 機器の中に埃・塵がどれだけ入りにくいかを示し 6は塵埃の進入がない状態です。 |
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第2特性 |
防水 | 5以上があれば通常の使用では十分です。数字が高いほど、より強力な水流や水圧に対して耐性があることを示します。 |
LEDビジョンを屋外に設置する場合、そのほとんどが屋外広告物条例の規制対象になります。設置検討時の条例、注意点を解説します。
看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたものです。
日本全国に適用する法令の他、地域における独自の条例があり、各自治体や各景観行政団体へ法的な情報を事前に確認することが必要です。 各自治体や専門会社に相談し、適切な法的要件と規制を遵守することが重要です。
建築基準法、消防法など他にも多くの規制があり、許可なく LED ビジョンを設置した場合には、撤去、是正工事を命ぜられる可能性があり、相応の費用が発生するので、 屋外広告物に関する法令知識を持った屋外広告士のいる会社に依頼することをお勧めします。 当社では屋外広告士はもちろん電気工事士、多くのLEDビジョンを設置してきた現場経験豊富の施工スタッフが在籍していますので、 申請手続きから施工、保守メンテナンスまでワンストップでお任せください。
法令点検とは、許可された広告物が設置後も法令に適合しているかを定期的に点検することです。屋外広告物許可の継続申請の際、多くの自治体では有資格者による安全点検が義務付けられています。 安全性を確保する責任があり、定期的な点検と法令を確認し、適切な手続きを行う必要があります。
LEDは徐々に暗くなっていく特性があるため、明るさが半減する時期を寿命と定義しています。 LEDビジョンの耐用年数はおおよそ8.5年程度ですが、使用環境により部品の交換が必要です。